彼女は予想の斜め上を行く
その紙を俺の目の前でヒラヒラさせる。

「あっ…」

紙の正体は、名刺。

葵に似ているという噂のキャバ嬢に、うっかり言い寄ってしまいもらった物だ。

「やっぱ行って来たんじゃん」

笑いながら、指摘する葵。

「ごめん…」

シュンと小さくなる俺。

そんな俺の腕からすり抜け、リビングに入り名刺をゴミ箱に捨てる。

葵のあとを追い、リビングに入る。

少し居心地が悪くなり、床を見つめていると。

「座れば?」

ソファーに座るように促す葵の手には、水の入ったグラス。

それを俺に差し出す。

「ありがと……」

受け取りながらソファーに腰かけ、グラスの中の水に口をつけた。

酒焼けした喉が、少し潤される。



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