社長と秘密の生活


俺が隣りに座る女の肩を抱き寄せると、

女は俺にフルーツを食べさせようとフォークを差し出す。

俺は杏花の視線を感じながら…

女の方を向いて少し微笑みながら口にした。

女は気を良くしたようで、俺の首筋に張り付いて来る。

それも……杏花の目の前で。


そんな俺らの行動を目の当りにした杏花は

一体、どんな風に思っただろうか?


すると、和成は杏花の髪を撫で始め…

俺の目の前で杏花のおでこにキスをした。

俺にアプローチをかける女同様、

和成もまた杏花へ、何度も何度も目を覆いたくなるような仕草を…。


あ゛ぁ――――――あ、

見たくなくても視界に入る。

杏花の服、何だよ!!……ソレ!!

あれじゃあ、和成好みの恰好だろうが!!

って、和成の彼女ならいいのか…?


俺はイライラを隠すので必死。


和成は杏花の唇にキスしないにしろ、

おでこや耳、頬にまぶたにと……何度も何度もキスをして。


あ゛―――――――ぁッ!!

マジでキレそう。

杏花に触れて良いのも、キスして良いのも、俺だけだっつうの!!


我慢だ………俺。

ガマン、ガマン………。

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