社長と秘密の生活


ここでバレたら元も子もない。

私はにこやかに微笑んで、


「カズは帰りが遅いし、頭を使う仕事だから…糖分のある物とか消化良い物とかを良く作るんですよ」

「一緒に住んでるの?」

「あぁ、悪いか?」

「いや、羨ましいなぁって思って」

「ホレるなよ?杏花は俺のもんだから!!」


そう言うと…

和成さんは私をギュッと抱きしめた。


「あ―――はいはい!!ごちそうさま。イチャイチャを見せつけられて、お腹いっぱい。そろそろ、俺も帰るわ…」


呆れたのか、納得したのか…

修矢さんの表情は分かり辛い。

けれど…


「おぅ、じゃあな?」

「あぁ、杏花ちゃん、またね?」

「はい、さようなら」


さほど気になる感じはしなかった。

これって……成功なのかな?


私は和成さんと共に修矢さんを見送った。


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