りぼん結び。
「でも、それはなんか直哉がいきなりしてきて・・抵抗できなかっただけで。それに!ヨリなんか戻してないし!」
「・・そっか。」
なぜか、千夏は少し寂しそうに笑った。
「千夏・・あのさ・・、」
私は昨日直哉に言われたことを話してみた。
「・・・なるほど、そういうことね。」
一人で納得して、なぜか今度は機嫌がよくなった。
「千夏?」
「若菜、まだ大野のこと・・好きでしょ?」
いつもなら、大野の話をするときはすごく嫌な顔をしている千夏だけど・・なぜか今はちょっとだけ嬉しそうな顔をしていた。
「・・・好きじゃないよ。」
意地を張っていってみるものの、やっぱり千夏にはお見通しで。
「若菜・・もう、意地張るのやめたら?」
「・・・え?」
突然真剣な顔で言われて、私は戸惑ってしまった。