りぼん結び。


―――でも。



「…ごめん、なさい。気持ちは嬉しいけど、先輩の気持ちには応えられません。」



先輩の相手は私じゃないんだ。

先輩みたいな人は私なんかじゃ、もったいない。



「ふっ…また振られたし。まぁ、わかってたけどな…?」


「ごめんなさい…。」


「謝んなよ。もっと惨めになる…。」


そう言われて私はなにも言えなくなる。


「…っあぁ!!こうなったら、絶対若菜よりいい女見つけてやる!」


先輩は吹っ切れたようににかっと笑った。


「……俺は若菜の味方だから。」


そう言って先輩は私の頭をポンっとして、屋上を出ていった。



「先輩も自分の幸せ…早く見つけてね。」


―――そう呟いた私の声は、なにもない屋上に静かに響いた。


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