りぼん結び。


それはあまりにも突然で。



「若菜が、好きなんだよ・・っ」



苦しいくらいに抱きしめられて。



「俺だったら、泣かせねぇし。絶対、幸せにする。」



温もりも、愛情も伝わってきて。



「なぁ、俺の方向けよ。」



私の気持ちは、やっぱり揺れるもので。



「・・先輩。」


「大野の・・変わりでもいいからさ。俺が、”忘れさせてやるから。”」



”忘れさせてやるから。”



そんな言葉が、心でリピートされていた___。



「少し・・少しだけ、時間をください。」


「・・わかった。」


「今日は、帰りますね・・。」


「送ってくよ。」


「いいですからっ・・一人に、してくれませんか?」


「わかった・・。また、な。」



私は、先輩の家を出た。


心のモヤモヤを抱えて。



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