りぼん結び。
「あ、若菜。」
直哉が私を見ると同時に、周りの女の子も私に視線を注ぐ。
勝ち誇ったような・・そんな顔で。
「はい、お弁当。」
「あぁ・・ごめん。今日はいいや。」
「え・・。」
「・・今日は、姉貴が作ってくれたんだよ。」
嘘。
直哉は嘘つくとき、首を触る癖・・あるんだよ?
「・・そっ、そうなんだ。」
ねぇ、それは・・沙希さんが作ったの?
浮気なんていつものことだけど。
今日は・・いつも異常に胸が痛む。
「パシリさん、どんまぁーい。」
「ついにお弁当も、あげられなくなっちゃったねぇ?」
キャハハと笑う、女の子たちを無視して
私は席にもどった。
「あ、若菜おかえりー。って、お弁当渡してないじゃん!」
「・・いらないんだって。」
「なにそれっ!?」