りぼん結び。


「あ、若菜。」



直哉が私を見ると同時に、周りの女の子も私に視線を注ぐ。


勝ち誇ったような・・そんな顔で。



「はい、お弁当。」


「あぁ・・ごめん。今日はいいや。」


「え・・。」


「・・今日は、姉貴が作ってくれたんだよ。」


嘘。


直哉は嘘つくとき、首を触る癖・・あるんだよ?



「・・そっ、そうなんだ。」



ねぇ、それは・・沙希さんが作ったの?


浮気なんていつものことだけど。


今日は・・いつも異常に胸が痛む。



「パシリさん、どんまぁーい。」


「ついにお弁当も、あげられなくなっちゃったねぇ?」



キャハハと笑う、女の子たちを無視して


私は席にもどった。



「あ、若菜おかえりー。って、お弁当渡してないじゃん!」


「・・いらないんだって。」


「なにそれっ!?」






< 59 / 194 >

この作品をシェア

pagetop