りぼん結び。



あれから、三時間。


もうお昼の時間も過ぎていた。



「直哉・・遅いな。」



来ないかもしれないのに、ずっと直哉を待っている私は・・きっと重症。



少し足がしびれ始めたころ。



空は雲に覆われていて、ポツポツと雨が降り出した。





「あ・・、傘忘れた・・。」



・・ほんと、ついてないな私。


雨も少しずつ強くなっていって、そんな中。


広場の前で、三時間も突っ立っているのだから、きっと周りからは変な人に思われている。



よくよく見れば、周りはカップルだらけ。


相合傘している人。


手を繋いで、雨宿りするために走っている人。


彼女が濡れないように、上着を掛けてあげている人。



私だけ、場違いかな・・。



「いいなぁ・・。」



知らないうちに、そんなことを呟いていた。




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