りぼん結び。


「若菜。」


「・・離して。」


「・・俺じゃだめなの?大野じゃないと、だめなのかよっ」


「直哉は・・関係ないよ。」



そういっても、葵は離してくれなくて。



「・・関係ないけど、葵のことは・・「まだ言わないで!」



「え?」


「まだ・・言わないで。・・今はまだいいから、俺のこともちゃんと頭に入れといてくれればいいから。」



そういって、彼はやっと腕を離してくれた。


「・・教室、戻ろうか。」



気まずくて、学校案内のときみたいに他愛のない話もできなかった。



2人で歩く廊下は、いつまでも・・いつまでも



続いている気がした____。





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