空賊。
「それにね、おじいちゃんは薬を調合出来るのよ。」

そう言って、少女は自慢げに小さな小瓶を見せてくる。

さらさらとした白い粉。
見ただけでは他の薬と区別がつかない。

「……なんの薬だ?」

瓶の中をじーっと見るが、見たところで分かりもしない。
ただ、白い粉にしか見えないのだ。

「これは、お熱が出た時に使うの。お薬だけど、美味しいのよ。」

そう言って少女はスタージャの手に薬を乗せる。
ずっと握られていたからか……小瓶はほんのりと温かい。

「美味しいのか……それは良いな。どんな味がするんだ?」

小瓶を手のひらでころがしながら、少女に問う。

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