空賊。
「おぉ!!」

スタージャの言葉に、“待ってました!”とばかりに男たちの威勢の良い声が返ってくる。

……そう、それでいい。
こんな所で負けていられないんだ。
あたしたちには目指すべき場所があるのだから。

「行くぞ、ブラー。」

スタージャがそうドラゴンに合図すると、
ギャーオと一鳴きし、
ばさっばさっと大きな翼を広げ空へと飛び上がる。

「お、おい。あのドラゴン……ブルーじゃないぞ?
何故だ?ドラゴンはブルーのはずじゃなかったか?」

敵軍から驚きの声が次々と上がる。

そんな人々の姿を楽しんでいるように
ブラーは“ギャーオ”と鳴き、敵陣めがけて飛んでいく。

何も指示をしなくてもスタージャの意思を読み取ったように行動するブラー。
生まれた時から一緒だったブラーは、スタージャの兄妹のようで。

その存在はとても大きく計り知れない。

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