その猫、取り扱い注意




曲がり角からイツキくんの姿が目に映る。


咄嗟にユミちゃんの目を手で隠した。何してるんだ僕は。



「何?どうしたの?」


「秘密」



そう言ってイツキくんが去るのを待つ。


何の意味もなく目を隠したら変に思われるだろうからポケットの中から小さな袋を出して彼女のポケットに入れる。


横目で視界の隅にいるイツキくんを捉えた。


彼はこちらに気付いていないようでさっさと先に行ってしまった。


彼が見えなくなったところでほっとを胸を撫で下ろす。


そして、彼女の視界を解放した。



「これって…!」


「気付いた?」


「この飴、CMでやってるやつだよね」



目を輝かせて話す彼女を見て、たまらなく抱きしめたくなった。


好き。好きだ。ユミちゃんが好き。


多分僕がユミちゃんを想う気持ちはイツキくんに負けていないと思う。


だからさ、返してあげないよ。


せっかく付き合うことになれたんだから手放したりしない。


僕だってこんなに好きなんだから。



目 隠 し ご っ こ

( 僕も僕で必死なんだって )




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