その猫、取り扱い注意

それはもう叶わないけれど





僕の彼女はずるいです。


家に帰ると妹のメイがクロがいないと泣いていたので仕方なく探していた。


そこでまさかクロが見つかったと同時にユミちゃんに会うなんて誰が予想するだろう。


とても会いたかった。


本当はあの時、イツキくんを差し置いてでも彼女を助けたかった。


どうしてもそれが出来ないのはイツキくんの気持ちもユミちゃんの気持ちも知ってるから。


両思いの2人を邪魔してるのは紛れもない僕なのだ。


僕が我慢して彼女が幸せになってくれるなら、いいじゃないか。


我が儘を言うならば、自分が幸せにしたいところだけどね。


知られないように綺麗なままで終わらそう。



「チアキくん…」


「どうだった?」


「うん。仲直りしたよ」


「それならいいよ。ユミちゃん、僕に言わなきゃいけないことあるでしょ」



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