春をありがとう*2*
「…分かった。行くけん」
歩美は安心したように私の顔を見た。
「じゃあ私は戻るね」
そう言って1組に戻っていった。
「はぁ~お腹空いた!」
私のお腹は我慢の限界で、虫が元気に鳴いている。
「翔太も食べよ?」
私は、まだ暗い空気をまとっている翔太に声をかけた。
「…放課後のこと心配やないん?」
「何で今その話出すん?」
正直昼休みくらい忘れたかった。
「心配に決まっとるやろ?」