春をありがとう*2*


「おかえり…父さんと母さん放心状態で困るんやけど」


太陽が困ったように顔を出して、日向に気づいて頭を下げた。


「友達?珍しいやん、美春が翔太くん以外の男の人連れて来るん」


私は何て答えたら良いのか困ってしまった。


「太陽くん?初めまして。俺、曽我部 日向」


太陽は固まった。

目を見開いて、“信じられない”って顔をした。


「父さん…母さん…?日向ってさぁ…俺の…」


太陽はそこまで言って、やめた。

やっと放心状態から開放されたらしいお母さんが出てきたから。


「…日向?」


お母さんは恐る恐る訊いた。


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