抹茶な風に誘われて。~番外編集~
「ちょっと、そこの万年最下位ダメダメホスト!」
「……って、お前にだけは言われたくないんだけどー」
ブツブツ言いながらも立ち止まり、また振り向いてくれる。明らかに軽そうな、バカそうなその外見の内に、ちゃんとした優しさを秘めてるのはもう随分前からわかってたこと。
「これ、かをるちゃんからの預かり物。あ、もちろん義理の、友情チョコだけどね」
はい、とわざわざ嫌みったらしく言ってから、手渡した。義理ではあっても、ちゃんと真心のこもった――かをるちゃんお手製のチョコクッキーの袋を。
適当にお礼だけ言ってまた背を向けようとした亀元を、少しだけためらって、もう一度呼んだ。
「何だよ、まだ何か用か? 俺、早く店戻んねえとドヤされんだけど――」
それよりもローザさんが待ち構えてるほうが怖えけど、とかなんとか一人続けて、本気で嫌なのか両腕で自分の体を守るような仕草をする。あいかわらず間抜けなホストに、カバンの中から取り出したものを投げてやった。
「わっ、びっくりしたー……これ、何?」
大きさとラッピングの豪華さだけはかをるちゃんのに勝っていると自画自賛する包みをあわてて受け取った亀元が、そう訊ねる。
いつもの顔じゃない、仏頂面がまたあたしの中のドキドキを刺激したけど、今度こそおくびにも出さずに笑うことに成功した。
「見たらわかるでしょ? バレンタインのチョコレート。あたしの気持ち、だから――」
隠し切れなかった気恥ずかしさが、ほんのちょっと染まった頬に出たのだろうか。一瞬、亀元まで瞳を見開いて、それからごまかすようにヘラヘラし始める。
「えー? やっぱなんだかかんだ言ってお前、俺に惚れちまったかあ。やべーなー俺、女の子の心、奪いすぎ? 俺もまだまだ静なんかに負けてねーってことだよなー」
まだまだ続く俺様自慢に、内心「バーカ」とほくそえむ。だって、包みを開けた時のあいつの顔を想像しただけでおかしいんだもん。
「……って、お前にだけは言われたくないんだけどー」
ブツブツ言いながらも立ち止まり、また振り向いてくれる。明らかに軽そうな、バカそうなその外見の内に、ちゃんとした優しさを秘めてるのはもう随分前からわかってたこと。
「これ、かをるちゃんからの預かり物。あ、もちろん義理の、友情チョコだけどね」
はい、とわざわざ嫌みったらしく言ってから、手渡した。義理ではあっても、ちゃんと真心のこもった――かをるちゃんお手製のチョコクッキーの袋を。
適当にお礼だけ言ってまた背を向けようとした亀元を、少しだけためらって、もう一度呼んだ。
「何だよ、まだ何か用か? 俺、早く店戻んねえとドヤされんだけど――」
それよりもローザさんが待ち構えてるほうが怖えけど、とかなんとか一人続けて、本気で嫌なのか両腕で自分の体を守るような仕草をする。あいかわらず間抜けなホストに、カバンの中から取り出したものを投げてやった。
「わっ、びっくりしたー……これ、何?」
大きさとラッピングの豪華さだけはかをるちゃんのに勝っていると自画自賛する包みをあわてて受け取った亀元が、そう訊ねる。
いつもの顔じゃない、仏頂面がまたあたしの中のドキドキを刺激したけど、今度こそおくびにも出さずに笑うことに成功した。
「見たらわかるでしょ? バレンタインのチョコレート。あたしの気持ち、だから――」
隠し切れなかった気恥ずかしさが、ほんのちょっと染まった頬に出たのだろうか。一瞬、亀元まで瞳を見開いて、それからごまかすようにヘラヘラし始める。
「えー? やっぱなんだかかんだ言ってお前、俺に惚れちまったかあ。やべーなー俺、女の子の心、奪いすぎ? 俺もまだまだ静なんかに負けてねーってことだよなー」
まだまだ続く俺様自慢に、内心「バーカ」とほくそえむ。だって、包みを開けた時のあいつの顔を想像しただけでおかしいんだもん。