ハレゾラ

(なんだか女将さん、暖かい人だなぁ。ちょっとお母さんに似てるかも)

私はお茶碗を渡しながら、そんなことを考えていた。


「あっ野口様。先程、車の修理工場の方から連絡があって、修理にお昼ごろまで
 かかるそうです」


「そうですか……分かりました。ありがとうございます」


私の顔を見て「どっかで時間潰さなくちゃね」と言うと、う~んと考えだす。
ここのチェックアウトの時間は確か10時だったはず。どこか近くに時間つぶし
できる場所あっただろうか。
私も彼に「そうだね」と答えると、女将さんが口を開いた。


「もしお二人がよろしければ、修理が終わるまで私の部屋にいらっしゃいません
 か?」


二人で顔を見合わせてから女将さんの方を向き、どういうことか聞き返した。
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