ハレゾラ
番外編

最低で最高のクリスマス



「もお~! いつになったら、まともな休みが取れるのよっ!!」


そう言ってベットに飛び乗り、大の字になって寝転ぶ。部屋の時計を見てみれ
ば、もう夜中の十二時を回っていた。
ここ何日か、まともに睡眠を取っていない。この時期だからしょうがないと頭で
は分かっていても、このままでは身体がいつまで持ってくれるやら……。


「出勤は七時なんて……。どんだけ働かせるつもりなんだか」


口からついて出る言葉は、愚痴ばかりになってしまう。
ダメだダメ!! こんなネガティブなことばかり考えてちゃ……。
頭をぷるぷると振って余分な思考を振り払うと、重い身体をゆっくりお越してベ
ッドサイドに腰掛けた。

ふわぁ~と大きな欠伸をしながらテーブルに目をやると、携帯が青い光を放ち、
チカチカしているのに気づく。
いつの間に受信したんだろう。帰ってすぐに確認した時には、誰からもメールは
きていなかった。それが今は光っている。

……こんな夜中にメールしてくる人なんて……

そう思った瞬間、さっきまでの眠気が嘘だったかのようにどこかに行ってしま
い、一気に目の覚めた私は慌てて携帯を手に取った。


「やっぱり翔平くんだ……」


携帯のディスプレイに彼の名前があるだけで、嬉しくて顔が緩んでしまう。
内容を確認しようとボタンを押すと、件名に【クリスマス】の文字が浮かんでい
た。
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