キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
「とりあえず守を助けてくれたことには礼を言う」


「……は…はぃ…」


「で、俺は借り作んのは嫌だからお前なんでもして欲しいこと言えよ」


「………………え??」



意味が分からないのか女はポカンと口を開く。




「だからこの俺様が礼をしてやるっつってんだよ」


「…!そ…そんな…要らないです!てかあたしそんな…」


「あ?お前この俺に口答えすんのか?」


「!!」




青ざめる女に俺はフンと息を吐くと、守の手をつかみ自分の方へ引き寄せた。




「守。今日は帰るぞ」


「や…やだよお兄ちゃん。未唯ちゃんと仲良くしてよ!」




俺はじたばたする守の手をギュッと握りながら女を見る。




「さっさとして欲しいこと決めて屋上に来いや」


「あ…あのっ、でもあたし…」


「屋上にいなきゃ適当に探せ」


「っ………」




女はまだなにか言いたげに口をパクパクしているが


俺はそれを無視して守を引っ張りながらその場を後にした。






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