Sugar × Spice Ⅱ〜恋人は年下幼馴染〜

「うそ、おいしいじゃんこれ!」


「でしょー?いっぱい練習したんだからぁ」


ダイニングテーブルで向き合って座り、私はお姉ちゃんが作った肉じゃがを食べて声をあげた。


…信じられない。

料理もまともに出来なかったお姉ちゃんが、こんな美味しく肉じゃが作れるようになるなんて。


「優ちゃんのお母さんに習ってね、味加減とか聞いたの。

おうちで練習しようと思って、1週間くらいずっと肉じゃが作って、やっと美味しく出来るようになったのに、

優ちゃんてば“肉じゃがはもういい”って、

そんでそのまま出張行くんだもん。

帰ったらまた食べさせるんだから」


「そりゃ1週間も肉じゃが続けば、さすがに優兄ちゃんも嫌になるよ」



私は優兄ちゃんに同情した。


「だって優ちゃん、肉じゃがが大好物っていうから」


お姉ちゃんは拗ねたように、ぷくっと頬を膨らませる。


「それでも限度ってものがあるじゃん。

お姉ちゃんだって毎日オムライスじゃ飽きるでしょ?」


「私は平気よ?毎日オムライスでも」


私は小さくため息をついた。



「で、お腹の子は順調なの?」


「そうそう!今日ね、定期検診行ってきたの」



そう言ってお姉ちゃんは立ち上がり、カバンから何かを取り出して持ってきた。


「見て、これ」

「これ…エコー写真?すごい」


差し出したのは、胎児を写したエコー写真だった。

白黒で、どこが頭になるのか形がよく分からなかったけど、私はまじまじと見つめる。




「…コレ、なーんだ?」


お姉ちゃんが写真の真ん中あたりを指差して聞いた。


「なに?」




「…立派なモノ♪」




そう言ってお姉ちゃんは、嬉しそうに微笑む。











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