世界で一番大切なもの
「姉ちゃん、泣いてます」



歩き始めてすぐ、潤が言った。



「コンビニまで近いんで、すぐに本題入らせてもらいますけど」



道の上に転がっていた石ころを潤が蹴る。



ころころ、と石は転がっていく。



「桔平さん、桔平さんのお母さんと姉ちゃんが会って話したこと知ってますか?
桔平さんがヨーロッパ行った前の日に」



「は…?」



俺は間の抜けた声を出す。



そんなの…知らない。



葵と母さんが?



あの2人、何の接点もないのに?



母さんに至っては、葵のこと、全く良く思ってなんかないのに。



じゃなきゃ…、



俺は呆然として潤を見る。



「やっぱり」



心底驚いてる俺を見て、潤はため息をついた。



「俺やっぱり京介さんが何考えてんのか、よく分かんないや」



眉間に皺を寄せて、潤が呟く。


< 43 / 43 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ソラ(仮)
美鳥/著

総文字数/13,032

恋愛(その他)30ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
空みたいに 綺麗になりたかった いつも怖かった そんなあたしに 1人じゃないと 教えてくれたのは あなたでした

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop