社長の溺愛・番外編



「わかるわけないだろ、何なんだあれは」



半ば逆ギレともとれる俺の表情に幸弘はやれやれとでも言いたげだ



「最近慎が仕事で疲れてるって言ってたんだよ」


「翼が?」


「あぁ、それで近くにいた亘に言ったら刺激が必要だとかなんとか言って」



「それであれを?」


「最初見たときは違うやつだったんだけどな、亘が着せたかっただけだろう」


よし、亘は一週間の残業決定だな

しばらくは雑用でもやってもらおうか



「そーゆうわけだから、翼ちゃんは慎のために着たんだよ」


ああーーー


ほんの少し前の自分に蹴りを食らわしてやりたい


素直に言えばよかった……!


「早く行かなくちゃ大変だよ」


幸弘の声にハッとしてドアノブを力任せに引く


「お前が止めたんだろ!」


バッターン………


扉がなにやら不気味な音をだしたが壊れない程度ならと、ガン無視をきめて階段をかけ降りる



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