社長の溺愛・番外編



「じゃあ、後はよろしく」


寅さんの如く帰っていった社長に思わず出てくる笑い


本当に好きなんだな


と、当たり前なことに今更ながら思う


溺愛してる姿をみて羨ましいともちょっと悔しいと思ったり


だけども結局は毎日愛するひとを見守る友人を見て嬉しくなるんだ


あーあ、とことん甘いな俺


さっ、仕事しようか


ぐぅーっと伸びをして誰もいなくなった社長室を後にする


秘書課に戻れば馬鹿な辻とデザインブック片手に騒ぐ亘がいる

こんな日常も悪くない


しばらくはこのままでいいかな


いつか心から愛するひとと出逢えるなら…ね


流石俺だわ、言うこともかっこいい!!!



翌日、相変わらず警戒し続ける翼を向かいに行くべく社長室を出ようとする幸弘に声がかかる

「そういえば昨日のやつさ、ただ南月が嘘ついただけなんだよな」


「は?なにが」


「南月が言ったんだって、幸弘さんが慎さんのこと連れてっちゃうよ~って」


「…………………へー」


結局のところ、彼女が彼を好きな話



「(ちくしょう、南月め!締め上げてやる!!!)」



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