社長の溺愛・番外編

恋、してた。




「なっちゃん、おはよう」


今朝も相変わらずの笑顔で朝の挨拶をしてくれる翼


「おはよう」


返事を返しつつもふときになることを考える


毎朝、校門前で鉢合わせするのは偶然だろうか


それとも運転席から睨みをきかせる慎さんの故意的行動からなのか

たぶん後者だ


慎さんはとことん翼を愛している

それに比例してかなりの心配性体質でもある


校門から教室までの間でさえ心配になるんだろう


そのため俺、なっちゃんこと南月は毎朝一緒に登校することになる


別にいいんだけど、なんだか釈然としないのはきっと慎さんの俺までを警戒する視線のせいだろう


「慎、行ってらっしゃい」


俺に向けたものとは違う、愛しいひとへと向ける笑顔は回りにいるひとまで笑顔にさせる


「あぁ、翼も気をつけて」


それに答える彼もまた目も当てられないほどの激甘なデレデレな顔


うっわ、キモ



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