ラブゲーム
陽太の走って行った道を走るように急いで教室に向かう


「うわっ!?」


いきなり出てきた人影に反応できなくて思い切りぶつかった


「イテテ、これ手首やったかぁ?」


手首に少しの痛みが走る。手首を目線まで持ち上げたとき全く人が微動だにしないことに気づいた

……ヤバい


「おいっ!おいっ大丈夫かっ!?」

返事がねぇ!!
やべーどうしようっ
とりあえず


倒れた女の子を抱きかかえて


松本先生ぇぇええっ!!

職員室に猛ダッシュ


勢いよく足で職員室を開ける

「松本先生っ!急患!」
よって来た松本先生にパカーンと丸めた教科書で頭を叩かれた


「バッカ!お前何で職員室だっ普通保健室だろ」

「しょうがないじゃんっ混乱してたら松本先生が出てきたんだよ」


松本先生が俺から女の子を奪って保健室に向かう お前も来いっとあごで指示された


何もあごじゃなくても……口あるじゃん


「すいません、八幡先生います?」


キョロキョロと保健室を見回す。人影がない
いないの?


「いますよ?」


「どぅわあっ!?」


後ろから声をかけられてひっくり返るかと思ったっ!


「保健室ではお静かに」

「あ、すみません……」
バクバクしてる心臓を抑えながら八幡先生と呼ばれた保健の先生を確認する


……ちっさ。
149?150?そのくらいの女の先生だった


「あら、杏子また気絶したの?今日は3回目よ」


杏子(あんこ)……?聞き覚えがある
杏子は今日3回も気絶したのか?


「いや、俺がぶつかったんですけど」


「あら、ほんと鼻血でてるわ」


……この先生大丈夫か? ムクッ!といきなり杏子が起きた


「私、別にぶつかってませんからよけたら転んで顔面から床にダイブしただけです」


杏子の顔を今しっかりみた。たんたんと話す様子に似合わないクリっとした可愛い顔だった……ん?見たことあるような


「どうする?陽太を訴えるか?」


何で!?
さっき俺にぶつかってないっていったじゃん


ばっと松本先生をみる
サッと逸らされた

「いえいえ、陽太も手ケガしてますし別にいいです」


さっきまで気絶してた人とは思えないほどにサラサラとはなす


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