秘密。
秘密 Ⅴ

また、電話が繋がらない…。


そんな悶々としたモノを感じながらも与えられた仕事をこなして行く。正直、かなり辛い…。


時々カナコの破天荒について行けない僕は、理解不能な所が多々ある。




「…し、の、ぶ、く、ん!」
「………きもい、タケル。仕事しろ」


両肩にズシリと重りを感じた僕はため息を吐きながら顔を見る事なく、タケルに低い声で訴える。

普通なら、タケルの行動に僕や周りの反応はウルサいぐらいになるが、こいつはいつでも誰にでもこんな事をするから慣れて今では周りは「あぁ、またか」と言うぐらいだ。

まぁ、こんな事をしないのは上司と女性社員だけ。

上司にこんな事してたら本気で僕は、こいつをホモだと思うし、女性社員にもしてたらタケルは今頃、薄暗い牢屋の中だろうな…。


最初は、こんな事を僕だけにするから女性社員の間で同棲愛好者の噂まででてきたまでだ…。


あの噂で僕とタケルは、上司にまで呼ばれるわ、人事課の部長にまで真相はどうなんだ? と聞かれたんだ…。

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