雫-シズク-
二人で並んで体を洗い始めた時、僕は思いきって話しかけてみた。


「あの、ケガ、したんですか?」


洗った体をおけのお湯で流した葵さんが答えてくれる。


「ケガ?……ちょっと違うな。まぁ自分でやったり、……やられたり」


自分で……?どうしてそんなことするんだろう。


意味のわからない僕に、頭を洗いながら葵さんが言った。


「……お前大変だったらしいな。親なんか、いない方がいいんだよ」


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