雫-シズク-
本当のこと……。


知りたいと思ったのは間違いないけど、そう言われると聞くのが怖くなる。


でも自分のお父さんとお母さんのことなのに、いつまでも知らないままじゃいけない気がした。


「……はい」


そう答えて顔を上げると笑顔の消えた佐藤さんと目が合う。


本当のことって、そんな顔じゃなきゃ話せないことなの?


僕の胸がどきんどきんとうるさくなってきた時、佐藤さんが別の人みたいに低い声で話し始めた。


「圭介くんのご両親は、死ぬことを選んだの。事故でも病死でもなく、自分達自身で……」


< 85 / 347 >

この作品をシェア

pagetop