私の片想い事情 【完】

「あーーーーー!!ダメダメダメ!お風呂、はいろ……」


イヤなことを忘れてすっきりさせるには、お風呂に限る!!


隼人の好きなアロマ入浴剤を入れて落ち着こう、とフラフラとバスルームへと向かった。


隼人の好きな香りに包まれ、ちょっと罪悪感に苛まれる。


「隼人一筋」なんて言っておきながら、簡単に瀧川君にキスを許してしまった。


しかも「気持ちいい」と思ってしまったのも事実。


私の6年の片思いってなんだったんだろうか、とずずーんと落ち込んでしまう。


瀧川君にとっては多分挨拶みたいなもの。


そんなキスで簡単にドキドキさせられて……


もしかして自分は「隼人しか好きになれない」って思い込んでいただけなんだろうか?


不毛な片想いを続けるしかないって思っていたけど、本当は私次第でいくらでも前に進めたのかも。


そんなことをぐるぐる考えては、落ち込み、お風呂の中で2時間も潰してしまった。



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