私の片想い事情 【完】
次の日私は殆ど眠れずに出勤した。
原因は勿論あの瀧川美少年のキスのせい。
こんなことで夜も眠れないのは中学生か、23歳の処女くらいだろう。
今更キスの一つや二つ、と割り切ろうとしても、数える程経験もないし、あんな濃厚なキスは初めてだったから、割り切ろうにも割り切れない。
朝、起きて目の下の隈を見て、経験値が浅すぎる自分を呪った。
今日瀧川君が休みでホントよかった。
今会ったら、お約束通りゆでダコ状態になるよね。
そしてまた笑われ、からかわれるに違いない。
今日の自分にはそんな余裕も体力もない。
はぁと大きくため息を零し机に頭を打ち付ける。