私の片想い事情 【完】

ヤダ……どうしよう


隼人に見られた……


あまりにもショックで、金縛りにあったようにその場から動けない。


「へぇ、やっぱりカズ君って手が早いなぁ♪」

「知り合って3日だろ?」

「あんたなんて女と知り合って1日目にヤルじゃない?」

「お俺の話はいいんだよっ!みなみは違うだろ?」


耳鳴りがするのに、隼人と亜紀さんの会話は残酷にも少しづつ入ってくる。


「万年処女のみなみだって性欲くらいあるわよ」

「お前なぁ……」

「何よ?そこで何で隼人が機嫌悪くなるわけ?そんな権限ないでしょ?」

「相手が悪すぎるだろ?」

「カズ君が?」

「あいつはやめておいた方がいい」

「ふ~ん、面白い持論ね?」


亜紀さんの意味深な笑い声だけが頭に響き、私はとりあえず、フラフラする身体を支えながらその場を離れた。



< 112 / 480 >

この作品をシェア

pagetop