私の片想い事情 【完】
ヤダ……どうしよう
隼人に見られた……
あまりにもショックで、金縛りにあったようにその場から動けない。
「へぇ、やっぱりカズ君って手が早いなぁ♪」
「知り合って3日だろ?」
「あんたなんて女と知り合って1日目にヤルじゃない?」
「お俺の話はいいんだよっ!みなみは違うだろ?」
耳鳴りがするのに、隼人と亜紀さんの会話は残酷にも少しづつ入ってくる。
「万年処女のみなみだって性欲くらいあるわよ」
「お前なぁ……」
「何よ?そこで何で隼人が機嫌悪くなるわけ?そんな権限ないでしょ?」
「相手が悪すぎるだろ?」
「カズ君が?」
「あいつはやめておいた方がいい」
「ふ~ん、面白い持論ね?」
亜紀さんの意味深な笑い声だけが頭に響き、私はとりあえず、フラフラする身体を支えながらその場を離れた。