私の片想い事情 【完】

隼人の女性遍歴はお世辞にも真面目とは言いがたく、隼人が一人の女の人に入れ込むことはなかった。


身体だけの関係と言ってしまえば、隼人の彼女リストにつらなる美女軍団に失礼かもしれないけど、隼人は彼女たちに心のつながりなんて求めてなかった。


そして私は、隼人が女と別れる度に両方から相談される。


さっさと関係を切りたい隼人からは感謝され、隼人を諦めきれない女の方からは恨まれるというのがパターン化。


もうやぶへび。


そして隼人が決まって言う言葉。


「みなみみたいに俺のこと解ってくれたらなぁ。お前、そのままずっと傍にいろよ……」


そう言って、女とセックスした後に、私のアパートで酔いつぶれるこの男を私は何度蹴り倒してやろうと思ったことか。



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