私の片想い事情 【完】
「今気付きました。俺、みなみさんが好きです。もう遠慮はしませんから」
「はいーーーー?」
目をパチクリ見開き(それはもう瞳孔がどうにかなるのかと思うくらい)、口をぽかーんと開けていると、手を握られ抱き寄せられた。
「た、た、た、た、た、瀧川君!」
慌てふためく私なんて構わず、瀧川君はぎゅうぎゅう抱きしめてくる。
ふがふがもがいていると、やっと離れてくれた彼は、至近距離でにっこり笑い、またまた爆弾を投下した。
「みなみさん、俺と恋愛しましょう」
ああ、彼はなんて綺麗に微笑むのでしょう。
きめ細かい肌にちょっと上がったアヒル口。人懐っこい瞳をしているのに、色気のある眼差し。
衝撃が強すぎて何も言えないでいる私に、もう一度微笑むと、瀧川君は私の唇にチュッと軽くキスを落としてきた。
ヤ~メ~ロ~
挨拶みたににキスをするなぁーーーーー!
顔を真っ赤にしてはふはふしていると、背後で亜紀さんの笑い声が聞こえ、それは一気に大爆笑に変わった。
やぶへび……
もう、勘弁してください。
神様、私の平穏無事な普通の生活を戻してください、心の中でそう何度も拝みながら、瀧川君の腕から逃れた私は、よろけながらロッカー室へと入っていった。