私の片想い事情 【完】
全てを亜紀さんに打ち明けた私は、思った以上にスッキリしていた。
ずっと誰にも言えず、心の中に留めていたことを口に出すことで、頭の中が整理できたからかもしれない。
モヤモヤしていたものが晴れたような感じだった。
そして、やっぱり私には、一つの答えしか残らない。
隼人が好き―――
その想いは変わらない。
話を聞いてくれた亜紀さんは、二人して大馬鹿ね、とだけ零し、お皿の上に残った棒棒鶏を私の口の中に次から次へと入れてくれた。
私は殆どご飯に手をつけてなかったみたいで、しっかり食べなさい、と叱られ、冷めてしまった夕飯を口にかき込んだ。
片付けをして帰ろうとしたときには、もう11時を回っていて、歩いて帰るという私を、亜紀さんは空手チョップで強制的にタクシーに押し込んだ。
タクシーにゆらゆら揺れて15分。
私は、一週間振りに我が家へと戻った。
カーテンが引かれたままの小さな私の部屋は、物で溢れているのに、何故か寂しく感じた。
色々なことが起きてすごく疲れた一週間だったけど、隼人がいて、彰人君がいて、西崎家はいつも賑やかだった。
久しぶりの一人の夜が寂しいな、と思いつつも、私はあれだけ惰眠を貪ったというのに、ベッドにダイブするや否や、一気に睡魔に襲われ、いつの間にか深い眠りに落ちていた。