私の片想い事情 【完】
つい嘘をついてしまった罪悪感から、素直にはいと言えない。
だって、必要の無いものに車を出してもらってまで届けてもらうわけにはいかない。
心が不安になったから、ちょっと会いたかっただけの口実。
でも、隼人が私のことを気遣ってくることが嬉しかった。何だかそれだけで心が少し温かくなり、私はやっぱり手帳は明日でいいと断った。
そう告げると、しばらく隼人からは何も返事がなく、通話が途切れたのかなと液晶画面を確認すると、電話越しに隼人の舌打ちする音が聞こえてきた。
「は、隼人?」
嘘ついていたことがバレたのかと、恐る恐る隼人の名前を呼ぶと、今度は業とらしい溜息をつかれた。
「お前は何も分かってないな?」
「え?」
隼人の言わんとしていることが理解できず黙っていると、隼人が腰に響くような甘い声を零した。
「みなみに会いたいから今から行く」
え?と聞き返すこともできず、一方的に告げられたまま電話が切られた。