SWEET&BITTER LOVE~シークレット・シェアリング《続編》~
俺はホームに立ち尽くし、越塚を呆然と見つめる。



降車して来る乗客たちには邪魔だと言わんばかりに、俺たちを睨みながら、避けてゆく。



「邪魔になってますよ」


「そ、そーだな」


俺と越塚は肩を並べて、歩き出す。



「…まぁー…俺は母親に引き取られて、母親が再婚して姓も変わったし…珠希は分からなかったのかな?それとも、俺という兄貴はもう…珠希の記憶から消えたとか…」


越塚は寂しげに視線を彷徨わながら、俺に話した。





『一緒に風呂入った』とか『一緒に寝た』とか『キスした』とか言い方が紛らわしいんだよ。



ワザと俺の神経逆撫でして、嫌な男だ。



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