中指斬残、捌断ち儀


「っ……」


遠い記憶の歌が掘り起こされた。


目眩を覚えてたたらを踏むが、なんとか耐える。


湧いてくる吐き気をツバごと呑み込んで、僕は“何かを知っている男”を見上げた。


元から身長はあるんだろう。ぽっくり下駄でより強調された威圧感ある影が僕に被さる。


「あなた、は……」


「気色わりいなぁ、お前。中指四つ持ってるとか、あり得ねえわ。まあ、二つは体ん中で、もっといけすかねえのは、憑いているソレだけどー」


ふざけた口振りをしながら、男は帯に挟んでいた扇を閉じたまま取り出した、口元を添えた。


「シシッ、まさかこんな奴がいると思わなかったぜぇ。いやいや、“招かれざる神脈”だなんていい土地に奥さま入り浸っているから、なあにかあると思ったが――」


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