月と太陽の恋模様
「あ…歩君。」
控え室までの途中の廊下、唯川先輩が立っていた。
「話、終わりましたか?」
「歩君、ありがとう。心配して待っててくれたの?」
「別に…先生に遅いから様子を見に行けと言われたから来たまでです。」
「そっか。じゃあ、歩君。優ちゃんお願いして良い?私、トイレ行ってくるから先生に言っといて。」
「分かりました。」
先輩が私達に背を向けた時、一瞬先輩の頬が光って見えた。
……きっと見間違えじゃない。
「行こうか。」
唯川先輩は私に歩調を合わせ、ゆっくりと歩いてくれた。