月と太陽の恋模様


「あ…歩君。」




控え室までの途中の廊下、唯川先輩が立っていた。




「話、終わりましたか?」




「歩君、ありがとう。心配して待っててくれたの?」




「別に…先生に遅いから様子を見に行けと言われたから来たまでです。」




「そっか。じゃあ、歩君。優ちゃんお願いして良い?私、トイレ行ってくるから先生に言っといて。」




「分かりました。」




先輩が私達に背を向けた時、一瞬先輩の頬が光って見えた。


……きっと見間違えじゃない。




「行こうか。」




唯川先輩は私に歩調を合わせ、ゆっくりと歩いてくれた。
< 277 / 670 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop