Line ~何時ものセリフで~
そこは隠れ家のような雰囲気のお店で
中は広すぎず、落ち着いた家庭的な感じ

物腰の柔らかな男性店員が席へと
案内してくれた。

途中、前を歩く雅人の足が不意に止まり
スーツ姿の男性二人が座っているテーブルの1人を見て嬉しそうに話し掛けた

「友成(ともなり)?友成だろ、
久しぶりだな
こっちに来ていたなら連絡くれれば
よかったのに」

友成と呼ばれた人は、かなり驚いた様子で

「あっ、ああ…久しぶり
仕事でこっち来てて、すぐ戻らないと
いけないから…」

「そっか、そうだよな…すまない」

『じゃあ、またな』雅人はそう言って
もう1人の人に頭を下げ、行こうとすると

「雅人、彼女の具合どうだ?」

友成さんの言葉に雅人の様子が一変する

「変わり…ないよ」

後ろからその表現は分からないが、声は微かに震えていた。
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