彼は私の金魚。


シャツに袖を通し、

ネクタイを締め、

スカートに足を通し、

ブレザーを羽織り、

長く伸びた黒髪をとかす。

支度が済んだ頃、

またコンコンと扉を叩く音。



「爽世様、支度出来ましたか?入りますよ?」

「爽、いいわよ」



扉が開き、爽が近づいて来る。

白くて細い手が私へ伸びる。

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