-Vermillion-

-MAI 4 (Ven)-
 目覚めると、
 加奈と爽の目が心なしか腫れていて、真朱と私にはくまが出来ていた。
 遥は清々しい顔で朝食をおかわりしている。
 私はあまり食欲がなかった。

 女将に別れを告げ、余山に戻る海岸沿いをゆっくり走る。
 四時間程車を走らせると、余山市内に入った。こちらもよく晴れている。

 遥から順に皆を送り、
 レンタカーを返して家に着いたのは、午後三時頃だった。
 ドアを開けると、甘い香りとコーヒーの香ばしい香りが漂って来た。

「おかえりー!朱乃、真朱、久しぶりね。元気してた?」
「ママ…!おかえり、ママ…!」
「朱乃ったら、随分大人っぽくなって。真朱は相変わらずいい男ね。」
「おかえり。何時戻ったの?」
「ついさっきよ。プリン作ったから、コーヒーとどうぞ。」

(本日午前三時頃、
 余山市一丁目の線路沿いで発見させた遺体の身元ですが――)

「そんな…また被害者、出たの…?」
「そうみたい。朱乃は本当に優しい子ね……事件が気になるの?」
「うん、少しだけ…」

 どうして?この四日間被害者は出なかったのに。
 今までの二日置きは、ただの偶然?
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