state of LOVE
「ちさにはわからへんけど、マナはわかったみたいやからいいと思う」
「え?」
「だって、ちさが決めることじゃないもん。マナとセナが決めること。美緒ちゃんはマナとセナの家族やもん」
「そう…だね」

そこは譲らない!と主張するちーちゃんに両手を広げて肩を竦め、メーシーは降参の意を示した。

「やれやれ。姫には敵わないや」
「んー?」
「嘘だよ。美緒ちゃんはレベッカと公園で遊んでる」
「嘘!?なんで嘘ついたん?」
「マナの本心を知りたかったんだ」

見事なオチ付きとはこのことだろうか。

結果的に俺の本心を暴いたと言うよりも、ハルさんに更なるショックを与えただけだったと思うのだけれど。

そこまで読んでやったことだとすれば、この人は間違いなく鬼も悪魔も超越した存在だ。

「ほら、姫。王子が心配してるよ」
「あれ?はるどうしたん?」

情けなく眉尻を下げたハルさんの頬をペチペチと叩き、ちーちゃんはメーシーの嘘に怒りもせずに向かい合う相手を変えた。

「はーるー?」
「お…おぉ」
「どうしたん?」
「いや。何でもないで」

ギュッとちーちゃんを抱き締めたハルさんは、とても悲しそうで。

そこをツッコんで茶化すのは簡単なのだけれど、原因はメーシーにある。息子としてはそれは遠慮すべきだろう。

それに、昨日のハルさんの言葉を思い出すと、とてもえはないがそんな気にはなれなかった。


初めて幸せにしてやりたいと思った。こいつのためなら何を犠牲にしてもええって。


意外と重い言葉だったんだな。と、そんな二人の姿を見ながら一件落着にホッと胸を撫で下ろした。
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