さよなら、ありがとう。
プロローグ
~♪~♪~♪~

『もしもし?』

『もしもし?!優衣?!なぁ、もう一回だけ話し合いてぇんだよ…。』

はぁ…しつこ…

『ねぇ、言ったよね。無理って。』

『俺、嫁も子どももいること黙ってたのはマジで悪かった。
けど、お前を失いたくなかったんだよ…。
マジで離婚してもいいって思ってるっ…』

『なに勝手に弁解はじめちゃってんの?
あたしは別にあんたが本気で好きだったから怒ってる訳じゃないし、むしろ傷ついてなんかないの。
ただね、妻子ある身の奴が浮気して本気になって簡単に家族裏切ろうとしてんのがムカつくだけ。
それに、あんたが本気になるのは勝手だけど
あたしにとっては単なる遊び。だから話し合うだけ無駄。さよなら。』

…ツーツーツー

神埼優衣。高校2年生。
私はこんなやつ。

本気で恋愛なんかしないし
この男とも切るために言ったわけじゃなくて
本当に遊び。

どうやったら人を好きになるんだっけ…

なんて考えるのもやめた。

私にだって…本気で人を好きになった事くらいある。

たった、一度だけね…。



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