君色の風


高校生になれば少しはわかると思ってたんだけど、たいして変わらなかった。


「やっぱ高校にもなると練習きつそうだな。でも陸部に入るって決めてたからな俺は。亜樹ももちろん入るっしょ?」


「え、えっと、どうしようかな。俺なんかの力じゃついていけそうにないしな」


「陸上は個人競技なんだからみんなにあわせる必要ないって。それとも他に気になってる部活とかあんの?」


「特に…ないかな」


高校に入学する前には陸上なんて絶対に止めて、サッカー部に入ろう。


って思ってた。


でも、よくよく考えてみたら、高校にもなるとほぼみんなが経験者揃いで素人の自分なんかが入ってもやっていけるわけないだろう。


となると自分には陸上部しかなかった。




「わかった。陸上部に入ろう」


「うっしゃ、そうこなくっちゃね」


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