普通のあなたと片目の私


「……龍さん…」




帰宅すると目に涙を溜めた梨華さんが居た。




「…………ごめん。」




謝るしかない。




「龍さんは私を好きだと言ってくれたのにっ!
アレは嘘だったの!?」




嘘だよ。――…このセリフが言えたらどれだけ楽か…




「嘘じゃない。今の俺は君しか居ない。
好きだよ、梨華。」




言えば言うほど俺の言葉は嘘で塗り固められていく。


箱入り娘のお嬢様を騙すなんて俺には容易いことだ。
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