普通のあなたと片目の私
5年後。
「ねぇ、あなた。働きすぎじゃない?」
「……もう少しだ。もう少しなんだ。」
"親父の会社を抜く"
俺はこれしか頭になかった。
親父の支店ではそんなことが出来ないと分かっている俺は、2年で私財を貯め、独立した。
勿論、親父には反対されたが、親父の仕事も掛け持ちでするという条件で了承を得た。
だからこうして家に帰宅したのも3ヶ月ぶりだった。
「無理をすると身体を壊すわよ。」
…こんな働き詰めで家をないがしろにしている俺を労る梨華は出来た嫁だと思う。
俺には勿体ないぐらいに。
「心配してくれてありがとう。……最近食欲がない。サラダだけで良い。」