蝶響




―――もう限界だった

でも本当の事を言えば、絶対に自分が行くというに決まってる

湊は、思いやりのある優しい子だから




そんなこと、重々承知していた

でも、

「俺に教えてよ、お前が抱えてる事をさ。お前の悩みは俺の悩み、俺の悩みはお前の悩み。俺とお前の心は繋がってるんだ。今まで何でも話してきただろ」

あたしが落ち込んでるとき、悩んでるとき、いつも湊に助けられてきた

あたしをまっすぐ見る瞳、その優しい言葉を聞いて、思わず口を滑ってしまった






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