ピュアらぶストーリー。
─実結side─
「ん…、保健、室…?」
目を開いて最初に入ってきたのは白い天上だった。
そういえば私、倒れたんだっけ…。先生が運んでくれたのかな?
なんて呑気なことを考えていると、遠くの方でチャイムが鳴っているのが聞こえた。
「…。」
いま、何時…?
「あら、桐島さんおはよう。随分疲れてたみたいね」
慌ててベッドから起き上がって時計を見てみれば、短針が指していたのは1だった。
体育があったのが2限目だから、まるまる3、4限目とお昼休みを睡眠に使ってしまったことになる。
「せ、せせ先生!!どうして起こしてくれなかったんですかぁああっ!」
涙目でそう先生に訴えかけると、起こしちゃ可哀想だと思って、って言われた。それでも先生ですかぁっ!
「別に授業は大丈夫、由奈にノート写させてもらえばいいし、あっでも数学が、そんなことより!翔太くんとお昼約束してたのに、どうしよう…」
一週間付き合うことを決めた日、お昼と下校はご一緒するって約束したのに。いきなり破っちゃまずいよね…。
1人でブツブツ言いながら悩んでいると、先生が「翔太くんって高橋くんのこと?」って聞いてきた。あれ、なんかバレちゃまずいかな。
「高橋くんとお昼約束してたの?それなら大丈夫よ」
「大丈夫、じゃないです!もしかしたら何も知らずに屋上でずっと待っててくれてたかも…」
「何も知らないわけないわよ。あなたをここに運んできたのは誰でもない、高橋くんなんだから」
…え?今、なんて…?
「すごかったわよ。血相変えて運んでくるもんだから桐島さん相当重症なのかと思って慌てちゃった!そしたらただの寝不足でスヤスヤ寝てるもんだから、心配して損したわよ」
ただの寝不足で悪かったな。って、そこじゃないよ!!高橋くんが私をここまで運んでくれたの…?それってすごく申し訳ない…。
「重かっただろうに…」
「あなたぐらいの体重、スポーツしてる高橋くんからしたらどうってことないわよ。それより、ちゃんとお礼言っときなさいね」
もう授業戻れそう?という先生の問いに、コクンと頷く。
そう言えば私、まだ体操服だった。
先生に一言お礼を行って、由奈が持ってきてくれたであろう制服を持って、私は保健室を後にした。