ピュアらぶストーリー。
「オレのこと考えてくれてた、ってことやんな…?」
「…うん」
「それって、…自惚れても、いいんやんな…?」
「え…?」
俯いていた顔をあげれば、少し顔を赤くした翔太くんと目が合った。
「めっちゃ嬉しい…!でも、まだ全然伝わってなかったみたいやな」
それは悲しいわ、と困ったように笑う翔太くんに、頭が?でいっぱいになった。
「オレは、実結がいいねん!!側にいて欲しいのは、実結だけや!!」
思いもよらなかい言葉に、開いた口が塞がらなかった。その後みるみる赤くなっていく翔太くんを見て、私まで顔が熱くなった。
「てっきり、愛想つかされちゃったのかと…」
「…はぁ!?なんっでそうなるねん!」
「だってたくさん迷惑かけちゃったし、いきなり時間くれって言うから、それを伝えられるのかと…」
「だから迷惑なんかやない!!時間くれって言うたのは、昨日あんまり一緒におれんかったから、少しでも一緒にいたかったからで、」
「そう、だったんだ…。よかった」
「…え?」
「…え?」
私今、とんでもないこと言った…?よかった、って、嫌われてなくて嬉しいみたいじゃない!!
「よかった、って、嫌われてなくてよかった!っていう意味…?」
「っ、わ、忘れて!今のはなし、ノーカウントです!!」
「~っ、嬉しすぎる!!」
「きゃっ、」
翔太くんにぎゅって抱きつかれた。今私、絶対顔赤い。絶対。
「わ、スマン、つい!!」
「う、ううん」
2人揃って顔赤くして、何とも言えない沈黙が続いた。
ちょうどSHRが終わるチャイムが聞こえたけど、どちらも戻ろうとはしなかった。
「なぁ、1限目もさぼらん…?もう少し、一緒にいたい」
「うん、いいよ…」
確か1限目は英語だったと思うし。
立ち話もなんだから、と屋上の隅の方へ移動し、2人並んで座る。
お礼に焼いてきたクッキーを渡し、感極まった翔太くんに抱きつかれるまで、あと少し。