ピュアらぶストーリー。

<翔太side>


只今の時刻9時10分。

初めて休日に好きな子と会えるということではりきりすぎた俺は、約束の1時間近く前から待ち合わせ場所にたどり着いていた。


駅前のベンチに座ってノートを開く。
頭のいい実結に少しでも追い付きたくて、昨日から高校受験のとき並に勉強した。

抜かりはない、はず。






「……」

只今の時刻10時5分すぎ。


しっかりしとる実結が遅刻なんかめずらしい。(ちょっと抜けてるけど、そこがまたかわええ!)


彼氏(仮)やったら何かあったんかと心配するのが普通で。

そわそわしてきて、いてもたってもいられなくてノートをしまい、立ち上がった。


そのまままた時間は流れ、やっぱり迎えにいくかと思ったそのときだった。


「っ、翔太くん!!」


天使が、表れた。


パステルカラーに包まれた実結はふわふわしてて、ほんまに天使がしっくりきた。


無事やったことにホッと胸を撫で下ろし、おはよーさん、と手をふる。


家からここまで走ってきたのか、俺のいるところまで来たら膝に手をつき息をきらせ、パッと顔をあげた。

…頬が赤くなってるせいもあって、なんかエロい。


遅刻の原因は寝坊らしく、まだ息が整ってないまま必死に謝ってきた。

罪悪感があるんか、なんか…泣きそう…?


「だだ大丈夫やから!!そんな泣きそうな顔しんといて…!」


嫌やでせっかく実結に会えたのに険悪なムードとか!!

ほんまに気にしてないから、と何回も伝えて落ち着かせるためにジュースを買いに走った。


戻ってきてジュースを渡すと、また泣きそうな顔になった…なんでや。
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